消毒とは
日常生活の中で、「消毒」や「殺菌」、職種によっては「滅菌」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。これらの言葉は、専門的には効果の度合いによって、使い分けられています。それらを簡単に言い表すと以下のようになります。
- 消毒: 病原性微生物を死滅、または除去させて感染の危険をなくすこと
- 殺菌: 菌の生活力を奪うこと(不活性化)
- 滅菌: 病原体・非病原体を問わず、すべての微生物を死滅、または除去すること
上記のように「消毒」は感染の危険をなくすために用いられる方法で、必ずしても全ての病原体を取り除くことではないことを理解しておくことが重要です。
この記事では、タイトルにもあるように「消毒」の中から「手指消毒」に焦点を当てて説明したいと思います。
手洗いをする
皆さんご存知の通り、手洗いはうがいとともに感染症を防ぐ基本的な手段です。病院の中でも感染のリスクのある場所では、使い捨ての手袋やマスク、エプロンといった予防具を外した後には必ず手洗いをするように徹底されています。
手洗いの種類
一般的にも手洗いをされる方は多いと思います。手洗いには「日常手洗い」「衛生的手洗い」「手術時手洗い」といった分類があります。感染症対策をする意味で手洗いをするのであれば、「衛生的手洗い」が推奨されています。名前を聞くと難しそうなイメージを持つかも知れませんが、その方法は、よく皆さんが見る手洗いポスターなどで紹介されている方法です。「衛生的手洗い」の特徴は以下の通りです。
- 手首まで洗う
- 手指のデコボコ(シワや隙間)部分まで丁寧に洗う
- 1分以上かけて洗う
- 手洗いを行った後に手指消毒剤を使用する
手洗いの効果と方法
後にも記述していますが、手洗いが不十分である場合、手指消毒剤を用いても本来の効果が期待できない場合がありますので、手洗いを正しい方法で行うことは、非常に重要なことです。
具体的な方法については以下の情報を参考にしてください。
手指消毒剤を用いる
手指消毒剤の種類
日常生活で行う消毒といえば、アルコール系消毒剤を用いるイメージがあると思います。ですが、消毒に用いられる消毒剤は、使用用途や対象、部位によって使い分けられています。消毒剤の種類によっては効果がない菌やウイルスがあることを理解しておく必要があります。
手指消毒剤の管理
一般的な手指消毒剤の効果は種類や環境にもよりますが、最長でも1ヶ月程度です。容器の中では常に成分の比率が変化し、有効成分の濃度が低くなることにより、ある一定期間が経過すると、場合によっては、水道水と変わらない程までに消毒効果が落ちます。
容器は、室温の高い場所や直射日光の当たる場所を避け、使用する際に消毒剤出口に触れないように促すことで容器内で細菌汚染を防ぎやすくなります。
また、使用する機会が少ない場合は、使い切れる程度の小さな容器のものを利用し、開封から1ヶ月を目安として、定期的に新しいものに変更をすることをオススメします。
余談ですが、筆者の通っている大学の教師が大学に設置されている消毒剤の中の細菌の有無を調べたところ、実際に1ヶ月ほど経った容器の中は細菌だらけだったという話を聞きました。
手指消毒剤の使用方法
一般的な手指消毒剤の有効成分は、手指表面の付着物により効果が減弱します。また一部の有効成分においては、手指表面に残る石けんの有無により効果が減弱するため、基本的には手指消毒剤の使用前には手洗いをした直後に使用することで、本来期待されている効果があります。
アルコール系消毒剤は幅広く効果を持ちますが、消毒の対象によっては消毒するまでに時間がかかる場合があるので、使用する際にはただ手指につけるだけでなく、十分な量をよく擦りこむことが重要になる。
実際の使用方法は以下を参考にしてください。
参考になる資料
以下に政府や企業が公開している資料を載せますので、必要に応じて適切な場所に貼ってください。
参考文献
コメント